名前と愛をなくした男(前編)
これまでのあらすじ: 竜王のひまごである竜樹は、無愛想で常識知らずな18才の青年。 ある時、一人の美しい魔導士を助け、不覚にも一目惚れ。それが男だと気付いても後 の祭り。 一方、魔導士の名はセレアス。 最初こそ竜樹を敵と間違えたりしたものの、今ではすっかり心を許し、良き理解者と なっている。 ただ、竜樹が寄せてくれる一方的な好意を、どうにも愛とは捉えられない常識人であ るため、悩みは尽きない。 アレフガルドの戦乱を経て、共に旅するようになった二人。 セレアスの故郷メルキドでは、また竜樹が騒ぎを起こしたものの、セレアスは懐かし い人々との再会を果たし、袂を別った大神官(祖父)の本当の心を知る事もできた。 いつか帰る日の為に、セレアスは再び竜樹と旅の空へ。 共に旅して一ヶ月。 新たな大陸が二人を待っている。
1.春の訪れ
2.水の宴
3.船は往く
4.奉納の舞い
5.黒い影
6.闇の神話
7.竜の眠り